日帰り入浴施設が人気です。各地に次々と新しい施設が増えています。魅力のひとつは「温泉」であることですが、普通の水を湧かしている施設や銭湯にも人が集まります。
なぜでしょうか。
それは、「ゆったり入れる、脚を伸ばして浸かれる大きな湯船」があるからです。大きなお風呂に手脚を伸ばして入るのは最高に贅沢で、ストレス解消にもってこいです。
そんな気持ちのいいお風呂場をわが家で実現できるのが“お風呂・浴室(バス)リフォーム。
理想のバスルームを手に入れるため、リフォームで失敗しないため、リフォーム前に知っておきたいルールがあります。
リフォームのタイミング見極めるルール
お風呂・浴室(バス)のリフォームはいつ行えばいいでしょうか。
そのタイミングを知るためのルールは……
ルール1:浴室の築年数が10年超えたら考える
浴室設備の寿命は10年といわれています。これは、浴室の防水処理と給湯器の寿命は10年である、とメーカー側が定めているからです。
もちろん、10年を越えて使用されている浴室はたくさんあります。しかし、浴室の劣化は目に見えない場所で進行している可能性があります。
浴室床部分が水漏れしていて木造の基礎を腐らせているかもしれません。浴室天井から伝わった湿気で天井裏や壁の裏がカビだらけになっているかも……
給湯器はある日突然“お湯が出なくなる”ことがあります。真冬に家中のお湯が出なくなったら、どうしますか。
浴室の経年が10年を越えているならリフォームを考えるタイミングです。
ルール2:見た目の劣化はリフォームのサイン
浴室内の劣化はリフォームのタイミングサインです。
見た目で「こんなにすぐにカビていたっけ」と変化を感じるようなら、壁の内側や浴槽の下がカビだらけになっている可能性があります。
- 浴室内のカビが目立つ
- 掃除してもカビが中々取れない(カビの根がかなり深くまで入り込んでいます)
- 排水が悪い
- 脱衣所の床がフカフカする(基礎が腐っている可能性大です)
排水が悪いだけなら、業者を頼んで配水管を高圧洗浄してもえばいいかもしれません。しかし、排水管が自然に詰まってしまうほど浴室が経年しているなら、他の部分の痛みも進んでいると考えてください。
ルール3:家族の構成が変わった
家族構成が変わったときもお風呂・浴室(バス)のリフォームを考える好機です。
結婚や出産で家族が増えるなら、浴槽だけでも広くしませんか。今のお風呂の給湯器が室内にあるタイプなら外付給湯器に変えるだけで広いバスタブを設置できます。出産に合わせてリフォームすれば、乳幼児の入浴がとても楽になりますし、最低10年は子どもたちと一緒のお風呂を楽しむことができるでしょう。
家族が減るときも浴室のリフォームのタイミングです。
子どもたちが独立するなどしてお風呂の利用人数が減るなら、浴槽を小さくするのはどうでしょうか。
容量が少なくても脚を伸ばせるタイプのバスタブもありますから、水道代、光熱費を削減できます。浴室自体を狭くすれば掃除が楽になりますし、残りの部分を別の用途に使うこともできます。
ルール4:バリアフリーを考えるとき
家族の高齢化が進んできたらやはりお風呂・浴室(バス)リフォームえを考えましょう。
- 手すりをつける
- 浴槽を低くする
- 浴槽を浅くする
- 浴室の床を滑りにくい素材に変える
- 風呂暖房をつける(ヒートショック対策・ヒートショック対策は浴室内だけではなく、脱衣所にも施す必要があります)
- 断熱材を補充する
など、風呂場での事故を防ぐために浴室全体のリフォームを考えましょう。
在来工法の浴室からユニットバスに変えれば、保温断熱効果が高くなりますし、風呂掃除の負担も軽くなります。
高齢化に対応するためのリフォームは、後述する補助金・助成金の対象になっています。
ルール5:ストレス解消にもってこい
「温泉が好きだ」という人の中には、“温泉”のお湯もさることながら「ゆったり入れるお風呂が大好き」という方が結構います。それが証拠に、スーパー銭湯など温泉を使用していない日帰り入浴施設も、温泉と変わらないくらいの人気があります。
「広いお風呂が好き」で「週に何回も日帰り入浴施設を利用している」なら、お風呂・浴室(バス)のリフォームを考えませんか。
日帰り入浴施設の利用料金が460円(東京都の公衆浴場料金)として、週に3回利用していたら7日で1,380円、年間50回通えば70,000円近い金額がかかります。風呂帰りに毎度いっぱいひっかけているなら更にプラス。夫婦で出かけているなら2倍ですね。
シンプルなバスリフォームなら50万円以下でできます。しかも新しい製品は水やガスの使用量がグッと低くなります。家呑みなら「風呂上がりのいっぱい」の金額も抑えられます。
公衆浴場の楽しみは数あるので自宅のお風呂と単純に比較できませんが、「ゆったり入れる浴槽」が一番の目的なら、自宅の浴室をリフォームを考える価値があります。
ルール6:安く上げたいなら旧モデル、展示品を狙え
お風呂・浴室(バス)のリフォームを安く上げたいなら、新型モデルが出てすぐのタイミングで型落ちの旧モデルをチョイスすることです。革新的な技術による機能を搭載でもしていない限り、最新型とひとつ前のモデルとでは性能に大差ありません。
新型が出れば(もしくは発表されれば)旧モデルの在庫処理が始まります。
また、量販店の店頭で使用している展示品も入替になり、うまくすれば半額以下で手に入ることもあります。
分譲マンションのモデルルーム、住宅展示場で使われている製品なら運搬と工事費だけしかかからないかもしれません。
リフォームを考えているならモデルチェンジ時が安く上げるチャンスです。だた、エアコンなどと違い毎年新型が出るわけではありませんし、新年度の切替時が狙い目、といった決まりもありません。小まめに広告やモデルルームをチェックする必要があります。
ちなみにLIXILはシステムバス「Arase_アライズ」を2019年3月にフルモデルチェンジしています。
型落ち、展示品の出物を見つけたらお風呂・浴室(バス)リフォームのチャンスです。
お風呂・浴室(バス)リフォーム、設備選びのルール
お風呂・浴室(バス)の設備を選ぶにもいくつかのルールがあります。
ルール7:まずは在来工法かユニットバスかを選ぶ
お風呂・浴室(バス)には「在来工法」と「ユニットバス(システムバス)」があります。
在来工法
在来工法は、基礎部分をモルタルで防水した上に、木材、石、タイルなどの素材でつくられた浴室設備を自由に建築するものです。
予算が許すなら(現在の建築技術の範囲で)どんなお風呂でも実現できます。
コストパフォーマンスで考えると断熱、防水性能ともユニットバスに劣ります。工期も数倍必要です。
ユニットバス(システムバス)
浴槽も含めた浴室全体を同一メーカーが一括製造します。パーツを現場に持ち込んでプラモデルのように組み立てます。
組み合わせれば隙間が生まれないため断熱、防水性能に優れています。ボルトナットと接着剤で組み立てるので2〜3日で設置できます。
在来工法のような自由度がありません、高級タイプも用意されていますが、やはり一括清算による規格品という感じは拭えません。変形スペースには設置しづらい面があります。
ハーフユニットバス
浴槽と床、壁の立ち上がり(腰の高さくらい)までをユニットバスにして、残りの壁と天井を在来工法で仕上げるやり方です。
あまり一般的ではありませんが、在来工法からユニットバスへのリフォーム時に天井や壁を残したいときなどに有効です。
ルール8:浴室全体のパーツ選びはデザイン重視か機能性か_両立はむずかしい
浴室全体の仕上がりを考えるとき、在来工法ならなんでもありですし、選択の幅が狭いユニットバスでも、近年ではそれなりにデザインを選べるようになっています。
どちらにしても「デザインを重視すれば使い勝手、メインテナンスの手間など機能性が低下します」
浴室内装、バスタブの素材を考えても、タイルや木材は目地やつなぎ目などの掃除が厄介な上、その度にキチンと乾燥させないとすぐにカビてしまいます。
温かみのある木製の浴槽も断熱材の入ったFRP(ガラス繊維強化プラスチック)に比べれば断熱効果はかなり劣ります。
ユニットバスでも、装飾的な凹凸の多い壁や床は掃除がしづらく、プリントが施されたカラフルなものは熱やライトで退色しやすいものです。
シャワーや蛇口などの水栓器具も、動植物を象ったものや、未来的なデザインのものを選べますが、シンプルなものほど使いやすく、水栓などの交換パーツも手に入りやすく、定期的なメインテナンスも楽だと覚えておいてください。
ルール9:浴室暖房や水栓器具の交換だけでも効果的
既存の浴室に浴室暖房機を追加するだけでもヒートショック対策に大きな効果があります。浴室暖房機を追加するリフォームなら工事費込みで5万円程度から可能です。
浴室暖房機は乾燥機としても利用できて重宝しますし、ミストサウナ装置がついているタイプならお風呂に入る楽しみがひとつ追加されます。
ルール10:断熱材の追加・補充は考えもの
既存の浴室、浴槽に断熱効果のあるシートやパネルをかぶせる、窓を二重窓にする、壁に断熱材を充填するなどのやり方があります。
壁や床など内装を一旦剥がして、断熱材をはめ込むこともできますが、浴室の場合は剝がした壁材を再利用するのは難しいので新調することになります。既存の浴室内装によほどこだわりがないならユニットバスに交換した方が断熱、湿気防止効果も高く、金額も安く済むかもしれません。
二重窓は簡単な工事で済む上、断熱保温に効果的です。
ルール11:給湯器と浴室全体のリフォームのタイミングをずらす
これは、絶対ではありません。「むしろ給湯器と浴室は一度に交換した方がいい」ともいえます。しかし、浴室、給湯器を一度に変えると最低でも70〜100万円近い金額がかかります。
追焚き機能付き給湯器だけなら工事費込みで10万円程度で交換できます。
全戸給湯型の給湯器が壊れると家中でお湯が使えなくなります。10年以上使用している給湯器はなんの前触れもなく使えなくなることがままあります。
「新築や前回のお風呂・浴室(バス)リフォームから10年経ったけれど、浴室設備全体のリフォームは予算的に厳しい」なら、まずは給湯器を交換しましょう。それから5年経ったらそれ以外のお風呂・浴室(バス)部分のリフォームを行えば、それぞれに5年のブランクができます。
5年といえば通常分割払いで最大60回あります。このサイクルに他の水回り部分を組み込んでやると、5年ごとに傷みやすい住宅の水回りを見直すルーチンをつくれます。
水回りの商品には10年の延長保証をつけられることが多いので、このサイクルは住宅を長持ちさせるためのルールでもあるのです。
リフォーム前に知っておくべき費用相場と予算
ルール12:費用相場を事前に知る
お風呂・浴室(バス)のリフォーム前に費用相場を調べておきましょう。相場を知らなければ業者との交渉もできません。浴室リフォームには幅があります。
- 水栓器具の交換なら1万円〜
- バスタブの交換なら本体5万円〜、工事費5万円程度
- 浴室全体のリフォームは50万円〜
- 給湯器も含めて浴室全体なら70万円〜
浴室、給湯器のリフォーム中心価格は100〜120万円とされています。
実際に自分の希望するリフォームがいくらかかるのかを、ネットなどで事前に調べておくことが大切です。
ルール13:費用のデッドラインを決めておく
まずは、どういったリフォームをしたいのか、最低限これはマスト、できればここまでやりたい。ただし、費用はいくらまでといったラインを決めておきます。
特に費用については「これ以上は1円も出せない」ラインをしっかりと定めておきましょう。
100万円単位の買い物になると1〜2万円くらいのプラスはたいしたことのない金額と思いがちです。業者は少しでも高額の商品を買わせようと「あと2万円足すと○○の機能がついてきます」「今らなら3万円でミストサウナ装置が追加できます」などとすすめてくるのが常套手段です。
いくら甘い話を持ちかけられても「本当にその機能が必要か?」「その機能に3万円の価値があるのか」を冷静に考えるためにも、「これ以上は出せない」デッドラインを決めておきます。
リフォーム業者の選ぶためのルール
リフォーム業者を選ぶときは「相見積」をとることが肝心です。
ルール14:複数の業者から見積もりをとる
相見積とは複数の業者から見積もりをとることです。相見積をとれば業者の顔が見えてきます。
相場よりもやけに高い、あまりにも安い場合は要注意です。問い合わせてキチンとした理由を説明できない業者はアウトです。
相見積を嫌がる、やたら他の業者の金額を知りたがるの要注意。
「この見積もりは特別価格です。有効期間は今日だけなのですぐに契約してください」と、見積もり後すぐに契約を迫ってくる業者、見積もりに工事費用の明細をつけてこない業者ともつき合わない方が無難です。
ひとり暮らしの高齢者は(そういっては失礼ですが)つけ込まれやすいため、業者との交渉時に知り合いの同席を頼むことをおすすめします。
ルール15:相見積をとるのが不安ならネットのリフォーム見積もりサイトを利用する
相見積は必須ですが、「複数の業者と話すのはイヤ」「なんども営業電話がかかってくるのは面倒くさい」「複数の業者を家に上げるのは怖い」という方も多いと思います。
そんなときはウェブ上のリフォーム業者一括見積もりサイトを利用しましょう。
例えばリフォーム見積もりサイト『リノコ』なら簡単に、商品+工事+保証を含めた見積金額を複数の業者から集められます。
浴室の画像をスマホや携帯で撮影し、名前、郵便番号、電話番号、メールアドレスといった最低限の情報をフォームに入力するだけです。情報はリノコが管理して、見積もり業者には知らせないので、業者から直接営業電話がかかってくることはありません。
ルール16:補助金・助成金を利用しましょう
- 浴槽の高さを低くする
- 手すりをつける
- 滑りにくい床に変える
- 高断熱浴槽に変える
など、バリアフリーを見越したリフォームであれば、地方自治体から補助金・助成金を受けられます。
自治体ごとに差はありますが、大体「総額10万円以上のバリアフリー化工事にかかる費用の1/10(上限20万円)」(2019年4月現在)が基準になっているようです。
助成金を利用することで、「浴室リフォームの予算内でお風呂とトイレを同時にリフォームできた」という事例も珍しくありません。
補助金・助成金に関しては役所に相談してもいいですし、地域担当の業者であれば補助金・助成金の内容を把握しています。話が出ないときはこちらから持ちかけてみるべきです。
ルール17:DIYには落とし穴がある
ネットオークションやジモッティのような不用品提供サイトには、新古品や中古のユニットバスが格安または無料で手に入る情報があふれています。
これらを手に入れる前に大切なのは……「誰が設置工事をするか」です。
ユニットバスの設置は数センチの違いでもうまくいきません。ガス、水道の配管も必要です。
「素人には無理」です。
まずは、設置工事を担当してくれる業者を見つけ、現物を見せ、自宅の浴室で使えるかどうかを判断してもらいましょう。話はそれから進めても遅くありません。
まとめ
ルール18:リフォームを決める前に深呼吸
お風呂・浴室(バス)のリフォームは、数あるリフォームの中でも「家族全員がその良さを毎日のように実感できるリフォーム」です。
「毎日実感できる」だけに、失敗してしまうと、その失敗を「毎日のように実感」することにもなります。
「給湯器が急に止まってしまった」「浴槽に穴があいた」といった緊急事態でも、一度深呼吸して「リフォーム後、裸の状態でずーっと使っていく場」であることを思いだし、今回のルールを参考にしていただいて、わが家にぴったりのお風呂・浴室(バス)リフォームを見つけてください。
自分の希望条件にあった適正価格を知り、信頼の置けるリフォーム業者を選ぶことがなによりも重要になります。
浴室・お風呂のリフォームの概算見積もりが知りたい時は、下記の一括査定サイトが参考になります!
リノコ
「商品+工事+保証」をセットにした安心の定額コミコミ価格が特徴の全国対応リフォームサービス!
●施工実績累計10,000件以上で全国対応。
●材料費・工事費用・保証費用・撤去費用・人件費・交通費などを全て含んだ定額コミコミ価格。
●TV東京「ワールドビジネスサテライト」や日経トレンディを始め様々なメディアで話題!
リショップナビ
全国提携企業1,500社から最適な業者をピックアップしてくれる! 専門のスタッフがヒアリングを行い、希望のリフォーム会社をマッチング致します。
特定の厳格な審査基準をクリアした会社のみが加盟! 安心・納得の見積もりを行うことができます。 累計利用者数10万人以上の実績!